

昨日の続きで、新倉ふるさと民家園のことを。
新倉ふるさと民家園は、
http://homepage2.nifty.com/niikura-minnkaen/です。
東武東上線の和光市駅から、徒歩7分くらいの街中にある。
昨年の6月に、
オープンしたばかり。
この民家は、旧富岡家の住宅で、
東京外郭環状自動車道の道路用地にあたり、
1988年に解体され、その解体部材一式が富岡氏から市へ寄付されたものとのこと。
富岡氏は、現在の移築場所が見つかるまでの20年弱、倉庫を借りて、
この住宅の部材を保管していた...そうである。
桁行九間一尺、梁間五間、約45坪の、茅葺き寄棟屋根の平屋建て。
主な特徴は、床の間が無いことや、大黒柱が無いことで、
土間柱など柱を内部に多く建てた、素朴な造りであること、とのこと。
広い土間と、座敷と勝手の板の間と、出居と奥の畳の間が、田の字状に。
囲炉裏が土間に面した位置にあり、畑仕事など座敷に上がらなくても、
囲炉裏にあたることができるためだろうと。
屋根の棟は、くれぐしといって、痛みやすい屋根の頂部を、土の重さと
植物の根付きにより、風雨をしのぐ造りになっている。
この土の部分に、芝やアヤメの球根などを植え、アヤメは火伏せのお守りと
信じられていた、とのこと。
春になったので、棟には、緑のモノが伸びてきていて、かわいい?印象に。
調査によれば、江戸中期約300年前の建物と推定されるそうで、
当時の関東の農家としては、最大規模のものだそうである。



建物も見てると色々発見があって面白いのだけど、
この民家園の
運営に関わっている、市民
サポーターの方々がまたとても良い感じ。
昔の様々な暮らしを伝えたり、市内外の方々と様々なイベントを考えたり。
はたまた、ひな人形を飾ったり、大根を干したり、季節のお花を飾ったり。
こういう市民の方々が色々関わることで、建物が単なる復元保存の領域ではなく、
今昔の人の暮らしの姿や楽しみ方、様々な人や価値観との
出会いなどまで、
伝え表現する、とても人間味のある居心地の良い場になっているように感じる。
文化財というと、どうしても敷居が高くなりがちなところを、
まるで和光の普通の住宅と変わらないかのくらいに、
誰でもが、ふらっと立ち寄れる、いつも人がいる雰囲気になっているように。
建物も街も観賞するためのものではなく、使ってナンボだと思ってます。
この民家は、20年くらいの倉庫保管期間を終えて、
また新しい歴史を刻みはじめたことのように思います。
家主が富岡さんから、和光市民の皆さんに変わりはしましたが。
使える限り、建物には寿命はないと思います。
高齢者を一般生活から外して、観賞用にするのは、
人と同じで、建物にとっても寂しいものだと思います。
その建物や周りで、様々に生活する人が、
その建物に魂?を入れているのだと思うのですが。
建物は竣工時がゴールになることがよくありますが、
利用する建物は、できた時からスタートだと思います。
使う建物は、関わる人とともに、どんどん変わっていくものだと
思ってたりします。
増改築するという意味ではなくて、人の爪あとが残るというか。
さいたま市からは、ちょっと遠いのが残念...。でも、また行こうっと。
近くの方は、天気の良い日に、ふらっと立ち寄って、
市民サポーターの方と、話しをしてみてはいかがでしょうか。
