
「いなほ保育園の十二ヶ月」北原和子 聞き書き塩野米松 岩波書店 1,800円+税です。
「『熱風』(編集・発行
スタジオジブリ)の2007年2月号〜2008年6月号の連載をまとめたものです。」とのことです。
桶川市にあるいなほ保育園は、「こどもの時間」という
映画などで知られています。
http://www.tontongikogiko.com/kodomonojikan/などにあります。
手作りの園舎や裸足など、話しで聞くものでも、色々感じるのですが、
どうしてそういう関係ができ上がってきているのか、とても知りたいところでした。
最近の園で、実際に起きて経験されていることを、
ご自身の言葉で語られているので、文面以上に伝わってくるものだあります。
人と人としての関係は当然に、さらに保育として関わる覚悟?など、とても響きます。
様々な出来事がとても良いのですが、とても紹介できないので、他で少し...。

「時期の見分け」の中で、
「... 今ここでこの子が登ろうとしている、すごい飛躍をしようとしているというのに、逆に足を引っ張るようなことをしていたら、あと1ヶ月かけたって、100日かけたってだめなんです。だから、『今だ』というときにはもう何があっても飛ばせる努力をするんです。その一瞬が見抜けなかったらだめなんです。その一瞬のときに、その子も無意識のうちだけど、今までの蓄積の中からそこでぴっと燃え出るわけです。...」
「どこへ行くかわからない遠足」の中で、
「... 行き先を隠しておくんじゃなくて、天候やいろんな事情や状況や、子どもの体力などいろいろ見て決めるんです。その状況によって変えちゃうんですよ。この様子ではそんな所へ行ったって面白くないって思ったら、その日に変えるんです。...
... 行き先は、いくとおりも考えてあって、その中から一つを選ぶわけです。子どもの体調や天気で決めるんです。保育は全部そうです。子どもと天気なんですよ。
相当なエネルギーを使っても大丈夫だっていうときは、そういう場所にしますし、ちょっと体調がぐずっている子が多いなあと思うときはそれにあった場所にします。大きい子は元気だけど、赤ちゃんが生まれたてが多くて、それでも行きたいっていう人がいっぱいいるときには遠出は無理だとか、いろいろ考えて。...」

「中学校」の中で、
「 人間というのは憧れるもの、自分がそれをしてみたいということがないと発達というのはしないんだなって思います。そういうものさえあれば、人間というのはどんどん
学習するし、したくなっちゃうんです。無理矢理させられるから
勉強が嫌になるんです。けやき組の子を見ていると、言わなくても、みんな学習しているの。学習したいんです。
私は、教師でもないし、すぐれたとこは1個もないから、非常に心配はあるけれども、でも、それより以上に、子どもが自発的に発信してきて学んでいるから、それがどうやってもっと広がっていくか、進むのだろうかということだけを私は考えてるんです。
本人が走っているときには、もうちょっと滑りがよくなることだけを考えますね。...」
「けやき組が教えてくれたこと」の中で、
「... もしかしたら、健常児の子より、アイちゃんとかユウマ君というのは周囲をとてもよく観察しているかもしれませんね。目に映るものを目に映るように見ているかもしれません。それと、
園児やけやき組と一緒にいることで、自分のしたいことが見えてきたんですね。一人ぽっちに隔離されてたら、絶対にそんなものは生まれてきませんよ。それが園児たちにもいいんですよ。
こういうことは、けやき組を作らなかったら、わからなかったですね。
障害のある子でも、いくつになっても健常児の中でこそ、憧れながら、遅いけども育っていくという。それは、やらなかったら、わからなかったと思いますね...。」
「私の基準は自分の子ども時代」の中で、
「... よく皆さん来てくれるな、よくつぶれないでやってこれたなあと思いますよ。私は私の
やり方しかできないんです。これよりいいものはないんだと自分の感覚があるわけでしょう。私が育ったときに受け入れちゃったものというのは、抜こうと思ったって抜けないわけですね。
ゼロ歳なんて記憶もないでしょうね、どの人も。けれども、記憶はなくても感覚にどっかにあるんだと思うんです。だから、私は自分が幼いときからずっと培った、心地のいい、嬉々としたことを今もやっているにすぎないんですよ。全くそれだけです。
これはなかなか人には説明できないですね。だから嫌がられちゃうんですよ。
説明しようと思うと、『全面発達が何の……』という言葉になっちゃうんですよ。...」

人と人の関係などを目的に、苦心している地域活動の中では、
似たような意識というか感覚というかを、感じたりします。
同じではないですが、なんだか共通する何かが、
「窓ぎわのトットちゃん」
http://kurade.269g.net/article/13088411.htmlや、
「ゴジカラ村」
http://kurade.269g.net/article/4715318.htmlなどにも、
あるような気がしたりしてます。
